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ロスト・イン・トランスレーション(Lost in Translation)

今日はお台場方面に、遊びに逝ってきました♪

最初は船の博物館に行ったの。ゆりかもめに乗ってる時、4人がけのシートで他のカップルと分け合う形で座ったんだけど、オ釜とばれたらどうしよう、と不安になり、気もそぞろに話もできず、小説なんか読んじゃったりしてました。何となく申し訳ないことをしてしまったような、相手に対して罪責感を持ってしまった。ああいう場で堂々とできないのは、まだまだアタイも蒼い証拠ね。

船の博物館で、3つの船の中を歩いて見回るうちに、GW中ずっと家でデレンコしていて体力が落ちていたため、グロッキー状態になってしまいました。お昼は入り口にあった、ドラゴンボールに出てくる亀ハウスみたいな建物のレストランで、ハヤシライスを食べました。船の博物館から汐留の日テレ本社ビルに行ったら、大道芸人のパフォーマンスで人だかりだったわ。船の博物館見学でかなり疲れていたので、中にある「日テレ食堂」とやらに入り、パスタを食べました。

食堂で冷たい水を2杯も飲んでしまったこととか、船の見学中に強風にあおられたことなどから、汐留を出る頃には頭痛がひどかったけど、渋谷で映画を見るのが今日の大きな目的だったので、頑張って渋谷まで向かいました。新橋の金券ショップで、チケットを安く買うのはもちろん忘れずに。(310円も安かったわ!)

お目当ては「ロスト・イン・トランスレーション」。ヴァージンスーサイドで監督デビューした、ソフィア・コッポラの映画第2作目です。CM撮影で来日したハリウッドの中年俳優ボブと、カメラマンの夫に同行して来日したシャーロット(ゴーストワールドに出ていた女優)が、たまたま同じホテルに泊まったことから出会い、互いに満たされぬものを持つという共通項から友情をはぐくんでいくというお話。異国の地での孤独感、夫婦間のディス・コミュニケーションみたいなのがテーマみたい。渋谷のシネマライズに着いたら、開演40分前だというのに「立ち見か、バラバラに座ることになります」と言われるほど、多くの人が来ていました。どうでもいいけど、並んでる間、アク○リアスの宣伝の音楽がうるさかったわ。映画館の2Fで見たんだけど、何とか座れたのでほっとしました。

映画は、結構楽しめた。例えば、ボブとシャーロットがしゃぶしゃぶ屋に入って、メニューを見ながら、肉が全部同じに見えて、違いが分からないといって悩むところはかなり受けた。それ以外には、高級ホテルのプールで水中歩行をする中年女性を不思議に思ったり、通訳の人がCMディレクターの要求をはしょって伝えることを不信に感じたり、なぞのSM中年女性が出てきたり、キャラの濃い人々がでてきて、「標準」とのズレを笑うような所もあった。アメリカ中心主義から見た日本の不思議さを笑う、という面も無かったわけではないけど、あまりそういった不快感を意識せずに、笑って見れたのは脚本のエスプリの良さもあると思うけど、出演者たちの日本という異文化に対する視線が、差別的と感じられなかったからかもしれないわ。

ロストに出てくるアメリカ人が、日本で孤独感を感じるのだけれど、それはもちろん、知り合いの少ない異国に来ているという理由がいちばんにくると思う。でも、暗黙的に、互いに結婚相手の伴侶から必要とされていない、自分は無価値だと感じさせられているという孤独感が背景にあり、それが二人を結びつけた。それは、映画のパンフレットで安野モヨコ氏が言ってたことのパクリなんだけど。二人で寿司屋に行ったり、シャーロットの日本人の友人とクラブにいったりカラオケに行ったりして楽しんだのは、他人の目という制約から比較的自由な異国で、はめをはずしやすかったからだとも言えそう。二人はセックス無しに友好を深めて、最終的に、ボブが空港に向かうタクシー乗車中にシャーロットを街中で見つけ、彼女を追い、キスして別れた。

異国で、同郷の人々とつながりあうという設定は、「アラカルト・カンパニー」(1987年、やはり同じ東北新社、今井美樹主演、パリが舞台)と似ていたかも。アラカルト~の出演者たちが日本からの脱出願望が潜在的にあって、パリに来て結果として長期滞在しているのに対し、ロスト~は、用事があっての、つかの間の日本滞在であるという点は異なるけれど。その他にも、アラカルトの出演者が独身で自由な生活を営むのに制約がないけど、ロストの出演者は既婚であるという設定のため、ロストはより「限られた時間」での異国での生活を描くのに適した設定だと感じたわ。異国に赴き、そこでの現地の人々とのすれ違い、ギャップを描くという点ではかなり同じ。

アラカルトでは、パリで旅行していて日本に帰りたくなくなり、商売を始める若者が描かれる。そこにはモラトリアムとかスチューデントアパシーが描かれていて、日本人にとって身近であり、ダイレクトに共感できる内容だと思うわ。でも、ロストもアタイが楽しめるのは、日本という文化を毒なくカリカチュアライズしていて、楽しめる度量を脚本が持っているからなんだと思うわ。(偉そうだけど。)ストーリー的には、ロストは別に主人公たちの成長も無く、問題の解決も示唆されていないけれど、退屈な日々に訪れたハプニング(出会い)に対するリアクションをリアリティ豊かに描いているという点で、アメリカの映画としては珍しいので(?)、楽しめたわ。ハリウッド的な単純なハッピーエンドは嫌いだし。

個人的には、パンフレットに掲載された、安野モヨコが描いたシャーロットのイラストが可愛かったのが、良かった。・・・って映画の感想のまとめになってないわね。アメリカ人が日本文化に出会った時の困惑、動揺も描かれているけれど、旅行における広い意味でのアバンチュール(性交を必ずしも必要としない)とか、人生の節々における悩み、とかがメインテーマな映画だという気がしたのでした。ソフィアコッポラの映画の独特の雰囲気、たゆたいとした感じが好きな人にはオススメかも。アタイはこの優柔不断な感じが好きです。

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コメント

今雑誌でこの映画のアメリカでの受け止められ方を見たら、アメリカでの上映でも日本語訳が出ず、観客はかなり困惑していたらしいわ。日本語という闇の中に迷い込むような感覚を味わうことで、擬似的に東京へ訪問したような感覚になったんじゃないかしら。

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